マレーシアインターナショナルスクール留学(インター校、親子留学)ガイド
マレーシアのインターナショナルスクール留学は、子供たちにグローバルな視点と多文化の中での成長を与える絶好の機会です。特に「親子留学」や「単身留学」をお考えのご家族にとって、現地での教育環境や生活スタイルは大きな決断ポイントになります。
この「マレーシアインターナショナルスクール留学ガイド」では、学校選びから入学手続き、親子留学あるいは単身留学ならではのメリットといった、潜在的な不安や疑問を解消するための情報を提供します。お子様の将来に最高の選択を、ここで見つけてください。今こそ、理想の教育環境への一歩を踏み出しましょう。
目次
なぜ、マレーシアのインターナショナルスクールが人気なのか?
豊富なインターナショナルスクールの選択肢
日本のインターナショナルスクールの問題
日本でもインターナショナルスクールは多く存在しますが、費用は非常に高額です。一般的には入学金だけで約100万円、年間授業料が250万円に達することも珍しくなく、スクールバス代や昼食費を含めると年間300万円以上の予算が必要です。
さらに、日本のインターナショナルスクールの多くは日本人生徒が大半を占めており、必ずしも国際的な環境とは言えない場合があります。その分英語の上達も遅くなり、高額の学費を払っている意味がないという声も聞かれます。
上記の理由から、日本のインターナショナルスクールに不満を持つ多くのお客様が弊社に相談に来られ、マレーシア親子留学または単身留学への移行を果たされています。
マレーシアのインターナショナルスクールの魅力
一方、マレーシアのインターナショナルスクールは、入学金が10万円程度、年間授業料が50〜70万円という学校もあり、家族の生活費を含めても、非常にコストパフォーマンスが高いです。インター校学費比較表をご参照。
さらに、授業料以上に大きな魅力は、多民族国家であるマレーシアならではの真の国際的な環境で学べる点です。マレーシア国内だけでもマレー系、中華系、インド系という3民族が存在し、更に世界各地からの留学生や駐在員家族の子弟が加わり、マレーシアインター校のダイバーシティが増大しています。
また、学生寮が完備されたボーディングスクールでは、お子様一人での「単身留学」も可能です。学校により9歳〜13歳以上の生徒様が入居可能です。
お子様の未来を考えた選択
早い段階で英語を基盤とした国際教育に移行し、グローバルな視野を持った人材に育てることは、今や多くの保護者にとって現実的な選択肢となっています。
英語が当たり前に通用する時代において、国際競争力を持つ子供を育てるには、マレーシアのようなグローバル教育環境での留学が非常に効果的です。一方で、国際化が遅れている日本のローカル教育を受けた場合、将来活躍できる場が限られてしまう可能性があります。
さらに、日本は急速な少子高齢化という大きな課題を抱えており、経済的にも今後さらに厳しい状況に直面する可能性が高いと言えます。特に、昨今の円安によって、円で稼いで裕福な生活を送ることが難しくなりつつあります。そのため、「外貨で稼げる人材」を育てる教育へのニーズが急速に高まっているように感じます。それを実現するための一手段が「マレーシアインターナショナル留学」なのです。
再スタートや不登校生への支援
さらに、マレーシアは「再スタート留学」「リセット留学」「不登校留学」としても最適な国です。日本でいじめや不登校に悩んでいたお子様が、新しい環境で自信を取り戻し、活躍するケースが数多くあります。また、ADHDなどの障害を持たれるお子様の受け入れを真剣に対応する学校も数多く存在します。
実際、弊社ではこうしたお子様のサポートを多数行っており、多くの生徒がマレーシアの学校で新たなスタートを切っています。
それではその数多くのインター校の選択肢からどのように学校を選択すれば良いのでしょうか?いくつかの選択基準と注意点をご紹介します。
カリキュラム
マレーシアのインターナショナルスクールのカリキュラムは下記の5種類に大きく分類されます。マレーシアのインター校を卒業して大学出願資格を取得したい場合、どのカリキュラムの学校に入学するかが非常に重要な要素となります。一方、語学留学的に数年間のみ在籍して、その後日本に帰国する計画であれば、成績評価や卒業資格の難易度の重要性は低下しますが、それでも学習スタイルなどは重要な選択要素となります。
1. 英国式カリキュラム
【概要】 マレーシアは英国支配の期間が長かったため、国全体の教育のシステムも基本的に英国の制度を採用しています。インター校も自ずと英国式カリキュラムの学校が多く、全体の7〜8割を占めると言われています。最もアカデミック色の強いカリキュラムと言われ、成績は期末試験の結果のみで評価されます。11年生時にIGCSEと言われる卒業試験があり、そこでの結果がその後の進学に大きく影響します。なお、英国式のカリキュラムは「ケンブリッジ式」と呼ばれる場合もあります。
【学習スタイル】
授業では教師主導で進められ、読み書きを重視し、生徒の理解を試験で確認する伝統的なスタイルが特徴です。それによりしっかりした英語力や基礎能力がつきやすいとも言われます。一方、学校によりプレスクールでEYPC、小学校でIPCと呼ばれるテーマ型学習授業を取り入れ、リサーチ、ディスカッション、プレゼンテーションなどを強化する動きもあります。
更に、Y10からは基本的に選択科目制に移行し、得意科目を専門的に学習するのが特徴です。Aレベルでは3科目に絞り専門的に学習します。簡単に言うと「狭く深く」学習するのが英国式の特徴です。
【学部構成】
主として下記の3学部から構成されます。Secondary Schoolの最終2年間(Y10とY11)をIGCSEコースと言う場合があります。Aレベルは学校により、提供される場合も、されない場合もあります。
- Primary School(初等部、6年間)
- Secondary School(中高等部、5年間)
- A-Level(大学準備課程、1.5-2.0年間)
2. 米国式カリキュラム
【概要】
日本が基本的に米国式カリキュラムと同様のシステムを採用しているので、直感的に理解しやすいカリキュラムと言えます。日本と同様12年教育で、高校卒業時に高校卒業資格が得られます。クアラルンプール圏では4校が採用していますが、うち2校は学費が非常に高額で、親子留学では手が出しにくいかもしれません。
【学習スタイル】
米国式カリキュラムは、幅広い一般教養を重視した学習が特徴です。英国式と異なりプロジェクト(課題学習)や実践的な活動も重視し、どちらかと言えば、全体的に「広く浅く」学びます。
【学部構成】
日本と同様、小中高の3学部に分れていますが、それぞれの年数が多少異なります。
- Elementary School(初等部、5年間)
- Middle School(中等部、3年間)
- High School(高等部、4年間)
2. 国際バカロレア(インターナショナル・バカロレア=IB)
【概要】
国際バカロレアは、ジュネーブに本部がある国際バカロレア機構が提供する、特定の国に依存しない世界共通なカリキュラムです。グローバルな視点を持ったリーダー育成を目指します。テーマ型学習や探究型学習など、実証的な学習スタイルを提供する一方で、最終的には最も難関なカリキュラムとも言え、最終資格ディプロマへの挑戦者は限定されます。
【学習スタイル】
IBは、広い分野を学ぶ点で米国式と似ていますが、より深く考える力や批判的思考を重視します。また、探究型学習がカリキュラムの中心となり、科目ごとに深掘りが求められるため、「広くかつ深く」学ぶのが特徴です。資格試験でもその分要求レベルが高くなります。
【学部構成】
IB一貫校の場合、学年構成は下記の様になります。
4. 豪州式カリキュラム
【概要】
オーストラリアカリキュラムは、英国式と米国式の中間に位置するカリキュラムと言われ、コースワークと試験の配点が50:50とバランスの取れている点で人気があります。基本的には12年教育で最終2年間の修了試験を経て、各州が認定する修了資格が得られます。マレーシアでは2校のみ豪州カリキュラムを採用しています。
【学習スタイル】
チームプロジェクトや実践的な体験が多く、理論よりも実生活に結びつけて学ぶスタイルです。体験やフィールドワークを通じて学ぶ機会が多いため、実践重視の学習が特徴と言えます。
【学部構成】
基本的に、下記の3学部から構成されます。
5. カナダ式カリキュラム
【概要】
カナダ式カリキュラムは、マレーシアではサンウェイ・インターナショナルスクールのみ採用するカリキュラムです。米国式に近く、ハイスクールでの成績評価はコースワークが70%、期末試験が30%の総合評価になります。卒業試験がない、テストに偏重していない、などの点で非常に人気のあるカリキュラムと言えます。
【学習スタイル】
カナダ式の学習スタイルは、柔軟で生徒に合わせた学び方が特徴です。クラス内でのディスカッションや協力が重視され、出席や宿題などの継続的な努力が評価に反映されます。テストだけではなく、日常の学習態度や参加度も大切にするスタイルです。
【学部構成】
基本的に米国式と同様な学部構成になります。サンウェイの場合、High Schoolの最終年度(G12)はサンウェイカレッジのCIMPと呼ばれる1年コースになります。
上記のまとめ表がこちらになります。
各カリキュラムの特徴まとめ
(表に収まるよう特徴を一言で単純化しております。スマホでは横長にして見ると見やすいです。)
カリキュラム | 英国式 | 米国式 | IB | 豪州式 | カナダ式 |
---|---|---|---|---|---|
学習スタイル | 専門性重視 | 一般教養重視 | 探求型学習 | 実践的学習 | 授業課題重視 |
学部構成 | 6年+5年+1.5年 | 5年+3年+4年 | 5年or6年+5年+2年 | 5年+3年+4年 | 5年+3年+4年 |
学期構成 | 3学期 | 2学期 | 2学期 | 4学期 | 2学期 |
入学年齢 | 5歳(9月or1月時点) | 6歳(8月時点) | 6歳(8月時点) | 6歳(1月時点) | 6歳(1月時点) |
成績評価 | 期末試験 | 総合評価 | 総合評価 | 授業・課題: 50% 試験: 50% |
授業・課題: 70% 試験: 30% |
卒業資格 | Oレベル Aレベル |
米国高卒資格 | IBディプロマ | ATAR | OSSD |
人気点 | 選択肢多い | 高学年対応可 | 世界共通資格 | 高学年対応可 | 高学年対応可 |
学校例 | 多数 | ISKL MKIS オアシス ロックリン |
IGB フェアビュー UCSI(SH) |
AISM ペニンシュラ |
サンウェイ |
学校の立地(クアラルンプール圏)
クアラルンプールまたはクアラルンプール近郊といってもインターナショナルスクールのロケーションは実に様々です。
実際はWPクアラルンプールを囲んだセランゴール州に多くの学校が散在しています。また、更にセランゴール州の南に接するネゲリセンビラン州やプトラジャヤ、更に北に接するペラ州にある学校をクアラルンプール圏の学校として加える場合があります。(本ウェブサイトでもで学校リストに含めています。)
特に最近の新設校は、郊外の安い土地を取得し、その分広大で施設の充実したキャンパスを建設するのが主流になっています。
マレーシア全土のエリアに関しては、エリア解説をご参照ください。
より大きな地図で KLインターナショナルスクールMAP を表示
上記インター校マップの通り、クアラルンプール圏には、非常に多くの学校がありますが、ここでは単純化して、それぞれクアラルンプール圏(WPクアラルンプールとセランゴール州)の代表的な地名(街名)を取り上げるとともに、その街にある代表的なインター校をピックアップしてみました。ご参照ください。なお、「主な学校」は対象エリアの周辺に位置する場合もあります。
地名(街名) | 州 | 主な学校 |
---|---|---|
モントキアラ(Mont Kiara) | WP クアラルンプール | ・MKIS ・ガーデン |
アンパン(Ampang) | WP クアラルンプール | ・ISKL ・セイフォル |
チェラス(Cheras)、マルリ(Maluri) | WP クアラルンプール | ・USCI KL ・ロックリン ・テイラーズ KL |
デサパークシティ(Desa Parkcity) | WP クアラルンプール | ・ISP ・スリペスタリ |
スバンジャヤ(Subang Jaya) | セランゴール州 | ・サンウェイ ・KDU スバンジャヤ ・UCSI スバンジャヤ ・キングスレー |
シャーアラム(Shah Alam) | セランゴール州 | ・デウィイーマス ・ヘルプ ・マズ・シャーアラム ・リアル・シャーアラム |
セティアアラム(Setia Alam) (シャーアラムの一部) |
セランゴール州 | ・ペニンシュラ ・テンビーSEP |
プチョン(Puchong) | セランゴール州 | ・テイラーズ・プチョン ・ラフレシア・プチョン |
ペタリンジャヤ(Petaling Jaya) | セランゴール州 | ・コスモ ・BSKL ・セントジョセフ ・アジア・パシフィック |
トロピカーナアマン(Tropicana Aman)、バンダーリンバユ (Bandar Rimbayu) | セランゴール州 | ・テンビーTA ・オアシス |
カジャン(Kajang) | セランゴール州 | ・テンビーSHE ・イートン IS カジャン |
居住地(どこに住むか?)
居住地の決め方は、下記の2通りが考えられます。
英語サポートクラス
学費水準
生活費
基本生活費(月額)
【前提】
・親子2名がKL郊外(またはセランゴール州)で華美ではない生活をする場合の基本モデル。
・学費、各種保険や日本への渡航費は含まない。
・外食費や交際費はライフスタイルにより大きく変動するので注意。
・換算レートは1RM=30円