大学ランキング（レーティング）

日本では大学偏差値という共通の尺度が存在するため、日本の大学を比較したりランキングすることはさほど難しくありません。ただ、マレーシアや他の外国では偏差値という概念はあまりないため、マレーシアの大学をランキングする方法として、第三者機関が調査した「世界大学ランキング」あるいはマレーシア政府によるランキング（レーティング）を参照することが考えられます。
主要な世界ランキングは5-6種類が存在しますが、ここではその中でも最も有名で客観的と考えられるランキングである "QS World University Rankings"と、"Times Higher Education (THE) World University Rankings"を紹介します。
また、マレーシア政府による国内ランキングとして”SEATRA Rating"も紹介します。

QS World University Rankings（QS世界大学ランキング）

このランキングの特徴は下記の通りです。

• 英国の教育機関QS Quacquarelli Symondsが発行しています。
• 評価基準は、学術的評価（Academic Reputation）、雇用者評価（Employer Reputation）、学生と教員の比率（Faculty/Student Ratio）、引用（Citations per Faculty）、国際性（International Faculty Ratio、International Student Ratio）などが含まれます。
• 特に「学術的評価」と「雇用者評価」の比重が高く、これらは専門家や企業からのアンケートに基づいています。
• 大学のブランド力や就職先の評価に焦点を当てています。

なお、ここではマレーシアにある海外大学の分校とマレーシア大学で取得できる海外大学の学位も含めました。（例えば、サンウェイ大学で学位が取得できる英ランカスター大学」等）
また、マレーシアの公立大学（国立大学）としては、上記表より実際は多くの大学がランクインしていますが、入学ニーズも限られていますので、上位3大学のみ掲載しています。日本の大学も、実際はより多くの大学がランクインしていますが、主要大学のみを掲載してあります。

Times Higher Education (THE) World University Rankings（タイムズ世界大学ランキング）

このランキングの特徴は下記の通りです。

• 英国の教育雑誌「Times Higher Education」によって発行されています。
• 評価基準は、教育環境（Teaching）、研究（Research）、引用数（Citations）、国際的展望（International Outlook）、産業からの収入（Industry Income）などが含まれます。
• 研究の質と影響力に強い重点を置いており、引用数が大きなウェイトを占めています。
• 教育環境や研究活動のバランスを重視するランキングです。

タイムズランキングでは、欧米の大学や、規模が大きく歴史の長い大学が選定される傾向があるため、マレーシア、日本の大学とも、特に私立大学はランクインするのが難しくなっている様です。

SETARAレーティング

ここでは、唯一のマレーシア大学国内ランキング（レーティング）とも言える「SETARAレーティング」をご紹介します。このレーティングは、マレーシア高等教育省に属するMQA (Malaysian Qualification Agency) が2年毎に実施する大学の調査評価で、各大学を下記のように6レベルに格付けしたものです。

TIER 6(OUTSTANDING)
TIER 5(EXCELLENT)
TIER 4(VERY GOOD)
TIER 3(GOOD)
TIER 2(SATISFACTORY)
TIER 1(WEAK)

ちなみにTIER 6(OUTSTANDING)のレーティングは2017年の調査で初めて8つの大学に対して付与されました。（それまでは、TIER 5が最高実績）
評価方法も詳細は不明ですが、下記の6項目で評価していると言われます。
academic staff (25%)
students' selectivity (10%)
research (15%)
academic programmes (25%)
resources (15%)
management (10%)

SETARA 2017