両親の保護者ビザが認められるも、インター校ビザがさらにカオスに💦
今日は先日に引き続きインター校のビザのことに関してアップデートしたいと思います。かなり悲観的なタイトルとサムネイルになっているかと思いますが、まずは良い情報からです。
セランゴール州は2人目の保護者ビザ申請を許可!
先日インター校の保護者ビザが両親に発給される!?という記事を書いたのですが、実は最近、セランゴール州イミグレーションが発行した"Second Guardian Checklist"と題した正式なメモを入手しました。このメモには、2人目の保護者ビザ申請者の提出書類の一覧が記載されています。内容を見る限りでは、特に厳しいルールはなく、所定の書類を提出すれば、ほぼ全員が受給可能な印象です。子供の数などに関する条件もないため、1人の子供に対しても両親が保護者ビザを取得できる可能性があります。(その後、原則学生ビザを保有する複数の子供がいることが条件であることが判明しました。)しかし、実際の申請にはまだ未知数の要素が多く、申請を検討している方は詳細な確認が必要です。ちなみに、クアラルンプール・イミグレーションからのメモはまだ見ていないので、予想どおり「無関心(スルー)」ということかもしれません。
クアラルンプール vs セランゴール州
実は、ここからが本題です。ここ数年、インター校のビザ、つまり学生ビザと保護者ビザの申請条件や申請書類が頻繁に変わり、さらにそれが学校ごとにバラバラになって、まさにカオスの状況となっています。(就労ビザやその帯同ビザ、ノマドビザ、MM2Hは、ここでは一切関係ありません。)
この間、政府直轄領である「WPクラルンプール」と「WPプトラジャヤ」では、親子留学を阻止するかのように保護者ビザのルールが年々厳格化されてきました。一方、その周辺のセランゴール州やネゲリセンビラン州は昔ながらの比較的緩やかなルールを維持し、引き続き親子留学歓迎ムードを示していました。ところがそのセランゴール州までが、一部学校で強化する動きが出てきました。(冒頭のニュースは別として。)
セランゴール州内の混乱
本来、ビザルールは各州のイミグレーションがルールを作成し、そのルールをその州に所属する学校またはビザエージェントが各生徒(家族)へ通知するという立て付けになっているため、例えばクアラルンプールとセランゴール州とはルールが異なったとしても、同じ州内であれば同一のはずです。従って、例えばセランゴール州内の学校であれば、ルールは全て共通のはずですが、最近申請書類の不一致が目立ちます。
例えば、どの学校でも保護者ビザの申請書類として、3ヶ月間の銀行取引明細(英文)が要求されますが、ある学校はスポンサー名義(通常父親)指定であったり、ある学校は保護者ビザ名義(通常母親)指定であったり、ある学校はどちらでも良い、とバラバラです。また、最近は翻訳会社が翻訳した場合でも、その翻訳の「公証」を求める学校が増えています。一方、そこまで要求しない学校もあります。
また、マレーシアの医療保険の保険証書の提出が学生ビザ及び保護者ビザの申請書類となっており、保険の残存は約1年間となっていますが、中には丁度ピッタリ1年間でないと不可、つまりビザの申請日と保険の開始日が一致する必要がある、という厳しいというかナンセンスな学校もあります。保険は本来自らの健康のため必要な時に加入するべきものであり、ビザ申請の期間に合わせて加入すべきものではないはずです。ビザ申請の1日前に大怪我にあい無保険だったら、どう責任とってくれるんでしょうか、、、
もっとも奇妙なのが、セランゴール州南部にある某インターナショナルスクールです。ここはボーディングの生徒も多いのですが、通常学生ビザのみの申請には、親の銀行取引明細や在籍証明書などは提出不要なのですが、なぜかこの学校だけは学生ビザの申請書類として親(スポンサー)の銀行明細や在籍証明書までが要求されます。さらに両親のパスポートコピー認証まで要求するというWPクアラルンプール並み、いやそれ以上の厳しさです。
ビザルール統一の願望
これらは各学校への不平不満に聞こえたかもしれませんが、学校がビザルールを決めているわけではないので、基本的にはその学校を所管しているイミグレオフィスあるいはイミグレ担当者へのちょっとした苦言ということになります。一言で言うと、もう少しルールや申請書類を統一して欲しい、ということです。
インター校ビザ制度の矛盾
そしてマレーシアのインター校のビザ制度で最も特異なのが、日本でなくマレーシア到着後、つまり学校入学後にビザ申請しビザ審査が行われることです。それで、ビザは発給しませんとなったら、せっかく入学した学校を退学し、帰国することになります。マレーシアの他のビザ、例えば、就労ビザ、MM2H、大学の学生ビザなどは、全て日本にいる時にビザ審査が行われ、ビザ承認後入国する形ですが、インター校のビザだけは、なぜか入国後に申請、審査が行われるという矛盾があります。(一応、入国前に教育省(MOE)の承認を取りますが、形式的な承認という印象が強いです。)インター校のビザが通らない確率は確かに低いですが、もしそうなれば全ての根本が覆えされてしまいます。
学校選びにおけるビザの重要性
これだけリスクのあるビザですが、皆様が学校を選択する際、ビザのことを考慮せずに学校を選択される場合がほとんどです。以前から指摘している通り、「WPクアラルンプール」と「セランゴール州」ではビザルールは全く異なります。そしてセランゴール州内でも統一されていないのが現状です。学校選びの際には、ビザに関するリスクを十分に考慮することが重要です。弊社も皆様のサポートに全力を尽くします。