インター校の転校は計画的に!
弊社では、年間で100組近い(あるいはそれ以上の)インター校入学のサポートを行っておりますが、その中で時折、保護者の方から「転校させたい」というご相談をいただくことがあります。
理由はさまざまで、入学前に抱いていたイメージと実際が異なった、友達と合わない、教師との相性が良くない、想定以上に費用がかかった、などが挙げられます。
弊社としては、転校は決して悪いことではなく、こうした理由で現在の学校が合わなくなった場合には、新たな環境に身を置くことも一つの選択肢だと考えています。
むしろ、最初の学校選びの段階から、「まずこの学校で英語力を伸ばして、次はあの学校に挑戦しよう!」といったステップアップの考え方を取り入れるのも良いアプローチだと感じています。
とはいえ、転校には手間がかかる上、追加の費用も発生するため、いくつかのコツや注意点があります。今回は、その中でも特に重要なポイントをお伝えします。
1. 退学通知のタイミングに注意する
多くのインターナショナルスクールでは、入学時に授業料1学期分程度のデポジット(保証金)を預けることが一般的です。
このデポジットは卒業時や退学時に返金されることが原則ですが、退学時の返金には条件がある点にご注意ください。
多くの学校では、「1学期前までの退学通知(One Term Notice)」が返金の条件となっています。つまり、退学を希望する学期の1学期前までに、学校に退学の意思を正式に伝える必要があります。(学校により期間は異なるので、事前にご確認ください。)
たとえば3学期制の学校で、2学期終了時に退学したい場合、1学期が終わるまでに退学通知を提出しなければなりません。
メールなど証拠が残る形で通知すれば大丈夫だと思いますが、各校には「退学届(Withdrawal Form)」が用意されているため、できればこれを1学期前までに記入・提出する方が確実です。
万が一、2学期が始まってから通知を行った場合は基本的に手遅れとなり、デポジットは返金されません。
もっとも、「もうこの学校に1学期も通わせたくない」とお考えであれば、返金されないデポジットを「必要経費」と割り切ってさっと退学するのも一つの判断かと思います。(ただし、ビザの移行には現在の学校の協力が必要になるので、「喧嘩別れ」にはならないようご注意ください。)
2. 転居を伴う場合は賃貸契約に注意
転校によって転居が必要になる場合、賃貸契約上の条件にも注意が必要です。
賃貸契約でも通常、2か月分の家賃に相当する保証金(デポジット)を家主に預けます。
多くの賃貸契約では、契約満了前に退去すると、契約違反とみなされ、このデポジットが返金されない場合があります。
また、契約によっては、たとえば1年契約で、半年で退去する場合には、残り6か月分の家賃を支払わなければならない契約も存在します。2ヶ月分なら諦めることもできますが、6ヶ月分となると慎重にならざるを得ません。
つまり、転校により引っ越しが伴う場合は、家賃保証金や契約違反ペナルティのリスクも考慮する必要があります。
一方で、現在の住まいのままで通える学校へ転校する場合には、この点は特に問題になりません。
3. WPクアラルンプールの学校への転校は要注意
転校する場合は、今までのビザを解約し、転校先の学校で新たにビザ申請をする必要があります。仮に、WPクアラルンプール(連邦直轄領クアラルンプール)に所在する学校へ転校する場合は、学生ビザおよび保護者ビザの要件が特に厳しいため注意が必要です。
同地域では、申請者に対する収入基準が設けられており、これを満たさなければビザが発給されず、結果として入学が継続できないリスクがあります。
もともとクアラルンプールの学校に通っていた方であれば、再申請に慣れているかもしれませんが、他州(たとえばセランゴール州)からクアラルンプールへの転校を検討している場合は、特に慎重になる必要があります。
仮に収入基準を満たしていたとしても、求められる書類の種類や量がセランゴール州と比べて格段に多く、申請の手間が大きく増すことになります。
「不可能」とは申しませんが、それ相応の覚悟と準備が必要です。
エリア解説のページもご参照ください。
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そのほかにも細かい注意点はいくつかありますが、今回はこの辺にしておきます。
転校は決断と準備が求められるプロセスですが、環境を変えることがより良い学びにつながるケースも多くあります。
ご家庭ごとの状況に応じて、最善の選択ができるようサポートしてまいります。
インター校転校サポートパックというメニューもご用意しております。