マレーで学ぶ 第7回 我が家の早期国際教育

マレーシアの日本語フリーペーパー「Mタウン」の連載記事第7回の原稿です。


第7回 我が家の早期国際教育

前回「いつから国際教育を始めるべきか?」というテーマの中で、「日本国全体で見た場合、日本語に集中し過ぎ」という言語ポートフォリオの欠点を指摘しました。少し話が大き過ぎたと思われますので、今回は同様なテーマでより身近な例「我が家の早期国際教育」を取り上げます。
実は、私の息子は小学1年生でインター校に入学しました。現在大学2年生ですが、現在も英語教育ですので卒業時には通算16年間の国際教育歴になります。インター校入学当初、私たちも息子の日本語の「遅れ」を心配しました。そこで、「家ではなるべく英語を使わせない」というシンプルなルールをつくりました。つまり学校では英語、家では日本語という「けじめ」です。(「ママ・パパ」も禁止でした。)その結果かわかりませんが、息子の日本語力に関しては、まず、会話力は全く問題ありません。読む能力もそれほど劣っていないはずです。ただ、書く能力(特に漢字)が同年齢の日本人より劣るような気がします。もっとも現代の日本人は(PCやスマホで「タイプ」はしても、)日本語を書く習慣がほとんどないので、いずれほぼ全員が書く能力を失ってゆく気がします。極論になりますが、日本語は、話せて、読めて、正しい漢字に「変換」できれば十分ということになります。事実、書く能力の劣る息子が、今インターンとして、英語を日本語に翻訳する仕事をしています。(もちろん日本語はワープロ打ちです。)では英語力はどうなったかと言うと、かなりうまいです(笑)。ネィティブに近いレベルかもしれません。ちなみに今は中国語に挑戦中です。学力やスキルは別としても、言語的には相当競争力がありそうな人材です。
私の経験に基づく限り、早期の国際教育開始には日本語の遅れという小さなハンデが伴いますが、絶対的な英語力習得のメリットが圧倒的に勝ると言えそうです。また、今後更にそういった多言語人材に対する社会的ニーズが高まるはずです。


小坂博志 プロフィール
Kuratabi Malaysia Sdn Bhd代表。外資系証券会社に20年勤務後、セミリタイヤの地としてマレーシアを目指したが、その調査活動がマレーシアビジネス起業へつながる。また外資系時代に日本人の英語力の弱さを痛感し、マレーシア留学を通じて日本人の国際化に少しでも貢献することがライフワーク。「まだガラキョー(ガラパゴス教育)続けますか?」がキャッチフレーズ。個人的にも、息子を小学校から大学まで国際教育一貫でグローバル&バイリンガル人材に育てた父親。

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