マレーで学ぶ 第6回 いつから国際教育を始めるべきか?

マレーシアの日本語フリーペーパー「Mタウン」の連載記事第6回の原稿です。


第6回 いつから国際教育を始めるべきか?

前回、国際バカロレア(IB)の説明をしましたが、最後は少しネガティブに聞こえたかもしれません。ただ、IBはやはり理想的な教育プログラムには違いないと思いますので、国際教育を比較的早期に開始され、かつ苦手な分野、科目があまりないお子様は是非IBディプロマに挑戦して欲しいと思います。
少し堅い話題が続いたので、ここで多くの方が興味のある話テーマ「いつから国際教育(インター校教育)を始めるべきか?」について考えたいと思います。英語の上達だけを優先すると、できる限り若い頃、例えば赤ちゃんの時から国際教育を開始すべき、という結論になるはずです。実際マレーシアにもインター幼稚園やインター校の幼稚部が多数あり2-3歳くらいから国際教育が実施可能です。これに対する反論としては、「日本人としてはまず母国語(日本語)を固めることが大切で、幼児期から国際教育などけしからん!」というものがあります。確かに一理ありますが、もう少し日本語に対し寛大になっても良いのではないかと考えます。シンガポールやマレーシアにいると、民族の母国語より英語が得意という人間がざらにいます。中国系マレーシア人でも同民族間でよく英語で会話をしています。私も最初は違和感がありましたが、今ではそういう言語的な多様性がこれらの国の強みだと感じています。日本人で日本語より英語が上手な人材がどれほどいるでしょうか?みんな日本語は完ぺきに話すが、英語は全くダメという「ガラパゴス人材」ばかりのような気がします。言語をポートフォリオとして考えた場合、これでは日本語に偏り過ぎていると言えないでしょうか?このグローバルな時代に、もう少し日本に言語的な多様性があるべきではないでしょうか?本来であれば、この問題は日本の英語教育で解決すべきだと思いますが、今のところ期待できそうにありません。


小坂博志 プロフィール
Kuratabi Malaysia Sdn Bhd代表。外資系証券会社に20年勤務後、セミリタイヤの地としてマレーシアを目指したが、その調査活動がマレーシアビジネス起業へつながる。また外資系時代に日本人の英語力の弱さを痛感し、マレーシア留学を通じて日本人の国際化に少しでも貢献することがライフワーク。「まだガラキョー(ガラパゴス教育)続けますか?」がキャッチフレーズ。個人的にも、息子を小学校から大学まで国際教育一貫でグローバル&バイリンガル人材に育てた父親。

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