マレーで学ぶ 第3回 「マレーシアには高校がなかった!?」

マレーシアの日本語フリーペーパー「Mタウン」の連載記事第3回の原稿です。

第3回 マレーシアには高校がなかった!?

マレーシアのインター校のカリキュラムには、英国式、米国式、国際バカロレア式、カナダ式、豪州式などがありますが、代表的なカリキュラムは何と言っても英国式です。マレーシアがかつて英国の植民地だったからでしょう。直感ですが、全体の7割くらいは英国式カリキュラムを採用していると思われます。
日本式や米国式との大きな違いは、その学部(小中高)の構成にあります。6年間の小学部(プライマリースクール)の後、セカンダリースクールと呼ばれる5年間の中高等部に進級します。そしてセカンダリー卒業後は、1-2年間の大学準備課程(プレU)という流れになります。3年間のいわゆる高校(ハイスクール)というものがありません。ですから、「マレーシアに高校留学をしたい」というご要望を時々頂戴するのですが、うまく当てはまる学年がありません。仮にセカンダリーの4年目(10年生)で入学したとすると翌年の11年生で卒業ですから実に中途半端です。しかも卒業時にIGCSEと呼ばれる一斉の共通試験がありこのスコアが重要になります。一般の日本人生徒にとって、マレーシアでの高校留学はかなりの挑戦になりますが、入学時の学年を1-2年下げて頑張っている生徒さんもおり、私も応援しています。
さて、英国式の科目的な特徴ですが、通常小学部1年から3年生の間に外国語の科目が始まります。中国語(北京語)、スペイン語、フランス語などの選択肢がありますが、日本人生徒は中国語を選ぶ場合が多いようです。ちなみに英語は外国語ではなく、「国語」の扱いになります。また、通常小学部3年生からICTというコンピューターの授業が始まります。小学校で既にエクセルやパワーポイントを学習することになります。実用的な科目を若いうちからどんどん勉強するのが英国式の特徴です。


小坂博志 プロフィール
Kuratabi Malaysia Sdn Bhd代表。外資系証券会社に20年勤務後、セミリタイヤの地としてマレーシアを目指したが、その調査活動がマレーシアビジネス起業へつながる。また外資系時代に日本人の英語力の弱さを痛感し、マレーシア留学を通じて日本人の国際化に少しでも貢献することがライフワーク。「まだガラキョー(ガラパゴス教育)続けますか?」がキャッチフレーズ。個人的にも、息子を小学校から大学まで国際教育一貫でグローバル&バイリンガル人材に育てた父親。

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