ホスピタリティのエリート育成が日本で始まる! <一橋ビジネススクール>
一橋大学大学院のMBA(経営学修士)コースが2018年度より新たに「一橋ビジネススクール」として衣替えし、社会人が平日夜間、週末に2年間学ぶ「ホスピタリティ・マネジメント・プログラム」(通称:ホスピタリティMBA)が追加で開設されることになりました。世界トップレベルのホスピタリティ・マネジメント・スクールと同様の構成とし、学んだことを日本の業界で実践していけるように「理論と現実の往復運動」を行うとのことです。
後述しますが、この新たな動きはこれからマレーシアの大学でホスピタリティを学ぶ方にとっても大変重要な意味があります。ところで、そもそもMBAとは何でしょう?
<MBAとは>
これはMaster of Business Administrationの略で、日本では経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位です。アメリカでは、MBAの学位を取得することが企業の経営幹部になる近道であると言われています。経験やカンだけに頼るのではなく、理論的思考力、分析力、実践力を習得し経営に生かすことを目的としています。入学条件としては、通常、大学卒業後就職してから数年のキャリアを積むことが求められます。
従来のMBAに対し、特にホスピタリティ経営に重点を置いて学ぶのがホスピタリティMBAとなるわけですが、米コーネル大学ホテル経営大学院が非常に有名です。将来ホスピタリティ業界に就職されたら、同大学院留学をご検討されてもよろしいのではないでしょうか。
<ホスピタリティMBA>
日本において、なぜ今ホスピタリティMBAなのでしょうか?それは:-
① 日本のホスピタリティ産業の急成長が確実となったが、深刻な経営人材不足の状況にある
② 訪日外国人が急増する中、従来の「おもてなし」から脱却してグローバルな成長戦略を計画、推進する人材が必要
③ しかし、一般的に日本の大学にはホスピタリティ経営を専門に教えられる人材が少ないため、海外レベルの「ホスピタリティ学部」の立ち上げは難しく、そもそも今から学部を立ち上げてもすぐには産業の成長に人材の成長が追いつかない
④ そうであれば、人材のすそ野を広げる前に、まずはホスピタリティ業界企業(ホテル、観光、鉄道、航空等)の幹部候補生に少数精鋭主義でホスピタリティのエリート教育を行い、業界の管理職人材をプロに育てるのが近道
ということだと思います。もちろん、業界企業からの強い要請・協力があったことは言うまでもないでしょう。実際、一橋ビジネススクールにおいては、2019年度からはホスピタリティのシニアエグゼクティブ・プログラムも開催され、企業の執行役員クラスが専門教育を受けられる場を提供します。また、従来のMBAプログラムにもホスピタリティ経営の要素が組み込まれるとのことです。さらに、京都大学においても同じ動きがあり、2018年度より経営管理大学院にて「観光MBA」が始まります。これら一連の流れには観光庁を筆頭に国の強力な後押しがあることも想像に難くありません。今に日本のインバウンド・ビジネスの成功が経済面におけるアベノミクス最大の成果になって行くのではないかと思います。
このように、日本の名門大学がホスピタリティ教育に本腰を入れ始め、試行錯誤を繰り返しながらも、やがてホスピタリティ人材の育成が日本全体で本格化して行くでしょう。
<マレーシアの大学でホスピタリティを学ぶ方にとってのメリット>
ホスピタリティ教育の先進国であるマレーシアで学ぶこと自体が大きなメリットですが、卒業後、日本のホスピタリティ業界の企業に就職される方にとって、上記のような日本の教育界の動きは以下のメリットがあります:-
① 日本においてホスピタリティ・マネジメントの学位取得の重要性が一層理解され、評価される
② 上司や同僚もホスピタリティ教育を受けていれば質の高い議論が可能となり、仕事の成果を上げやすくなる
③ 日本ではまだまだホスピタリティ教育の英語化までは期待できず、業界に異文化経営が求められる中、語学力と海外体験を持ち合わせた海外大学卒業生の存在意義が相対的に高まる
④ 日本国内において就職後も一橋ホスピタリティMBA等でさらなる専門教育を受ける機会が増える(会社費用でコーネル大学院留学の可能性も)
<マレーシア大学留学のススメ>
これから日本でホスピタリティ教育を本格化させようとすればするほど、日本が海外に比べて立ち遅れていることが顕在化するという構図が見えてきます。大学進学希望者は、日本の大学に納得できる希望学部が立ち上がるまで待っているわけにはいきませんから、海外の大学に留学してホスピタリティを学ぼうとする方が今後ますます増えて行くことでしょう。そんな中、あなたはマレーシアに留学してその先駆者になろうとは思いませんか?今ならまだ間に合います!